毎年恒例年末の大掃除に使えるご飯粒と大根のテクニック
大掃除に超便利な「墨にはご飯粒」「黄ばみには大根」の知恵!?
毎年年末になると恒例になる大掃除。
わかっている汚れは洗剤などでその場で落とすけれども、いつの間にか付いてしまった汚れは年末の大掃除の時に気がついて、頑固にこびりついてなかなか落とせないもの。
特にお子さんがいる家では、いつの間にかこっそり汚されていた事に気がついても、強力な洗剤を使うことはできず、モヤモヤしてしまうこともありますよね。
そんな時には「経済的に」「体に優しく」「しっかりと汚れが落とせる」昔ながらの知恵が役立ちます。
すっきりと綺麗な家で新年を迎ええるためにも、ここを読んで意外な物の使い方を知りましょう♪
墨汚れにはご飯粒!?
お習字などで使う墨は、ススをニカワで固めたものから作っています。
ニカワとは、牛や豚のコラーゲンから作ったノリのことで、墨を硯で擦ることによって、ニカワの細かい粒子がドロドロのコロイド溶液になるのですが、このコロイド溶液、ススをゼラチンで包むように付着してくるので、非常に落としにくい汚れとなります。
江戸時代などは、その落ちにくさを利用して、木に墨で字を書いて掲示板として使ったり、看板として利用していたのですが、これが壁紙や洋服に付着してしまうと、落ちにくくて大変!!
もし、墨が付着したときに、すぐに気がつくことができたら、まず「小麦粉」を振りかけて、小麦粉に墨の黒い水分を吸収させます。
そうして、大体の墨を吸着させた後は、乾いて残ってしまった墨汚れと同じように汚れを落としていきます。
■乾いた墨汚れの落とし方■
乾いた墨汚れ、シミの部分に「ご飯粒」を揉み込みます。
こうすることにより、米のデンプンがノリのようになり、ニカワの糊以上の吸着力となる、糊になって、ススの粒を吸着することができるのです。
もちろん、これだけで綺麗に落ちる……というわけにはいきません。
洋服の場合は、ある程度の墨汚れをご飯粒で揉みとったら、コラーゲン分解酵素入りの洗剤で、シミ部分を良く洗うと良いでしょう。
もしそうした物がない、もしくは、体への負担が気になるという場合は、タンパク質分解酵素を多く含んでいる「大根」のおろし汁で、シミの部分をもみ洗いしても落ちるでしょう。
壁紙の場合は、スポンジに大根おろしの汁をつけて、とんとんを汚れを浮かして、すかさず汚れても良いぞうきんで浮いた汚れを取るという繰り返しをして、綺麗にしていきましょう。
いずれも墨汚れは落ちにくいもの。
お子様がお習字から帰った後は、すぐに洋服などをチェックしておいた方が良いでしょう。
障子の黄ばみ直しは大根を使おう
年に一度の障子の張り替え。
けれども、そこまで使っていない障子なので、変えるほど傷んではいないけど、痛みが気になる……。
そんな時は、大根を使って障子の漂白!!
大根には漂白作用があるということは、大昔から知られています。
着物などを手軽に買えなかった時代、戦で切られてしまった武士の洋服をはぎ取り、大根で血液を落として古着として売った貧農の話や、大根で牡蠣を白くさせて貴族に献上していた平民の話もあります。
紙の黄ばみの原因は、紙を作る大本の原材料「パルプ」の中に含まれる繊維質の物質「リグニン」というものが原因なのです。
リグニンが紫外線を受けて酸化し、黄色く変色するため、壁の陰にある障子は白いママなのに、日の当たる場所にある障子紙は黄色くなってしまうのはそのせい。
和紙の原料である「コウゾ」や「ミツマタ」にはリグニンがあまり含まれていないので、変色しにくいと言われていますが、どのような紙にも多かれ少なかれリグニンが含まれているもの。
ですが、大根に含まれているビタミンCには還元作用があり、これは市販されている「酸化させて漂白させる漂白剤」とは逆の、「酸化した物を還元させて白くさせる作用」となり、酸化が原因の和紙の黄ばみには効果的なのです。
■障子紙の黄ばみを大根で白くさせる方法■
大根をおろし、その汁を別の容器に保存しておきます。
そして、ハケなどに、大根おろしの汁を含ませて、黄色くなってしまった障子に少しずつ塗っていきましょう。
塗った直後はまだ黄ばみが残っていますが、乾いていく内に段々と黄ばみがとれて、もとの白い障子紙に戻っていくでしょう。
ただし、この大根おろしの汁。
デンプンを分解する効果もあるため、枠の部分につけてしまうと障子紙自体が剥がれてしまうこともあります。
いきなりベタベタとたくさんつけたり、面倒だからとスプレー容器に入れて吹きかけたりせず、ハケなどで少しずつ塗るようにしていきましょう。