夏のあせもは自然の力で優しく癒やせる先人達の知恵

夏だからといって諦めない「あせも」対策は自然で身体に優しい方法を

夏になると背中やお腹周り、女性だと下着のラインに沿ってブツブツと赤い小さな発疹が出る「汗疹(あせも)」。

あせもは汗を出すための皮膚の表面にある「汗腺」が詰まってしまい、赤い小さな炎症を起こしてしまうことなのですが、そのせいでかゆくなったり、チクチクとした痛みが生じるのが困りもの。

特に汗腺が未発達な子供や、汗をかきやすい人、スポーツをしている人などに多くみられる症状なのですが、どんなに対策をしても毎年夏になるとあせもに悩まされるということも多い、困った不調です。

ベビーパウダーを使う。

汗をこまめに拭く。

お風呂でごしごし擦らない。

そういったことで対処することは可能ですが、すぐに治るものでもなく、皮膚科に行っても同じような対処法を言われるか、下手をすると大したことのない症状なのにステロイドを出されてしまうことも……。

もちろん、かきむしって酷く炎症を起こしてしまったり、ジュクジュクしてしまった場合には強いお薬も必要になるのですが、あせもはまず「出たら先手」の自然の治療法をやって、すぐに症状を押さえてしましましょう。

江戸時代から使われている治療法「ビワの葉の煎じ汁」

ビワの葉

汗疹に悩んでいたのは、なにも現代人だけではありません。

江戸時代より昔から、和服を着ていた日本人は、帯周辺の汗疹に悩まされてきました。

そんな日本人。

「ビワの葉の煎じ汁を使えば、汗疹が良くなる」ということを発見したのです。

ビワの葉には「アミダグリン」という成分が含まれているのですが、この成分は殺菌成分があり常在菌は守りつつ、肌に沸いた雑菌のみをやっつけてくれるというのです。

因みに、同じくかぶれやすくて問題になりやすい「赤ちゃんのおむつかぶれ」にも有効で、江戸時代では夏場にこぞって、どの家庭でもこのビワの葉の煎じ汁を作っていたそうです。

そんなビワの葉の煎じ汁の作り方はこちら。

【作り方】

  1. 色の濃いビワの葉(新芽ではないもの)を8枚~10枚ほど集めて、よく洗います。
  2. 特に裏側には汚れが付きやすいので良く洗いましょう。
  3. そして、良く洗ったビワの葉と水(300cc)を鍋に入れて、水が2/3になるまで煮詰めていきます。
  4. この際、水がボコボコと沸騰しないように、火加減は中~弱火で。
  5. そして、煎じ出た茶色い汁を冷まして、空のペットボトルなどに入れ、ガーゼやコットンなどに浸して、痒い部分、あせも部分にはたくようにしてつけていきましょう。

因みにこの煎じ汁。

冷蔵庫に入れておけば1週間ほど保存可能ですので、夏場は作り置きして常時保存しておくと良いでしょう。

江戸時代の「丑湯」で治る!? 桃の葉湯

桃の葉

土用の丑の日……と言われたら、大抵の日本人は「ああ、ウナギを食べる日ですよね」と答えるでしょう。

これは、夏の暑さに備えて栄養のあるウナギを食べましょうと、江戸時代に大阪の商品が宣伝したのがきっかけの伝統なのですが、江戸時代の人はこれとは別に、土用の丑の日には「丑湯」と呼ばれるものに入っていました。

丑湯には桃の葉を入れたお風呂なのですが、ビワの葉同様桃の葉にはアミダグリンが入っているので、あせもや湿疹などに効果的なのです。

作り方はビワの葉の煎じ汁よりももっと簡単。

桃の葉を一握り程陰干しして、それを布袋やネットなどに入れ、お風呂に浮かべれば「桃の葉湯」の完成。

あせもに効果的ですが、もちろん、おむつにかぶれてしまった赤ちゃんの肌にも効果的です。

雅な朝風呂「つゆ草湯」

つゆ草

つゆ草とは夏の間田んぼのあぜ道などに紫色の花を咲かせる可憐な草花なのですが、じつはこの花もあせもに効果的な花として昔から日本人に愛されてきました。

このつゆ草は早朝に花を咲かせ、昼過ぎにはしぼんでしまう健気な花なのですが、必要な薬効に変化はないので、つゆ草を見つけたら一握り程摘み取ってきましょう。

田んぼのあぜ道などでしたら農薬が付いている可能性もあるため、花・葉・茎をよく水で洗って、天日干しにしてカラカラに乾燥させましょう。

そうしてできた「乾燥つゆ草」を、布袋や一握りネットに入れて浴槽に入れればOK。

つゆ草に含まれるタンニンが肌を引き締め、汗をかきにくくしてくれるため、朝のお風呂をつゆ草湯にするだけでその日一日をすっきりと過ごせるでしょう。

もし、「朝風呂に入る時間なんてない」「シャワーを浴びる時間しかない」という場合は、夜でも大丈夫。

夕方には効果が薄れてきてしまうかもしれませんが、寝苦しい夜の寝汗を防ぐ効果もあるので、おすすめです。

あせも対策には予防が大切

ベビーパウダー

あせもは誰しもがなる不快なトラブルですが、「あらかじめベビーパウダーをはたいておく」「こまめに汗を拭く」「入浴時に擦り過ぎない」といったことである程度防ぐことができます。

ですがもし、あせもになってしまったときは……このような自然の恵みで、優しく肌をいたわり、一日も早い「痒みからの脱却」を心がけましょう。

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