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おせち料理は栄養の玉手箱だった!?

健康の知恵袋
おせち料理は栄養の玉手箱だった!?

馬鹿にできない日本人の知恵「おせち料理が体にいい」理由

「おせち料理は昔の主婦の手抜き料理だ」

なんて言ってしまうお父さん方もいまだにいるかもしれません。

たしかに、おせち料理は元々、新年を迎えるにあたって、年神さまを「静かに」迎えるため、台所で火を使ったりしないで食べられる日持ち料理として作られたものです。

さらにおせち料理は「めでたいから『鯛の焼き物』」「腰が曲がるまで長生きできるように『エビの焼き物』」など、縁起を担いだものを詰め込んだだけ……というイメージもあります。

ですが、このおせち料理、寒い冬に食べる理由があるだけの理由があったのです。

今では廃れ始めてきてしまっている「おせち料理」。

これを機会にぜひ見直して、お正月におせち料理を食べてみませんか?

「なます」は消化を助けるビタミンフード

なます

ニンジンと大根を甘酢で漬けた「なます」は、「水引」を彷彿とさせる縁起物。

ですが、子供にとっては酸っぱくておいしくないと不人気のおせちメニュー。

しかし、なますはお雑煮などのお持ちの消化を助けてくれるジアスターゼが豊富に含まれており、冬に不足しがちなビタミンCもたくさん。

さらにニンジンはベータカロチンが多く含まれているため、冬こそ食べたい一品。

苦手な人がいる場合は、砂糖を多めにするなどして少し甘めに仕上げることで食べやすくなりますので、ぜひ、挑戦してみてください。

カルシウムを多く取る佃煮

佃煮は「五万米」とも書く「イワシの佃煮」がおせちに登場します。

イワシは実は、江戸時代では田畑の肥料として用いられており、そのため豊穣を意味しておせち料理に含まれているのですが、イワシを丸ごとしっかりと煮詰めた佃煮は、カルシウムの宝庫。

成長期の子供はもちろん、骨密度が低くなりがちなお年寄りにも食べてもらいたい一品です。

疲労を助ける黒豆

黒豆

黒豆の甘露煮は「1年をまめに過ごせるように」という語呂合わせ的な願いで入れられています。

ですが、元々黒豆はイソフラボンが豊富で栄養満点。

特にコレステロールを下げるリノール酸が含まれており、お正月に食べることの多い、カズノコやイクラのコレステロールを優しく緩和してくれます。

また、疲労回復のビタミンBが多く、煮汁にはビタミンB2が豊富出ているため、煮汁ごと食べることで風邪予防に役立ちます。

甘すぎると糖尿が気になってしまいますし、逆に美味しくないと感じることもありますので、甘さ控えめに食べると良いでしょう。

糖尿病予防によい人気の栗きんとん

子供に人気の栗きんとん。

あの国民的アニメ、ドラえもんののび太君は栗きんとんが大好きで「未来のお菓子」とまで言っています。

そんな栗きんとんは、美しい黄金色の見た目から「金運向上」の願いを込めておせちに入れられているのです。

もちろん、栄養も豊富で、甘さがありますが糖尿病予防に効果的で、なんとビタミンCが豊富なことから美白効果もあると言われています。

せっかくの糖尿病予防の効果を活かすために自宅で作る場合は、甘さは控えめに作るようにしましょう。

代謝を助けるよろ昆布

昆布

昆布の煮しめは多くの人が知っている「よろこぶ」の言葉から来ています。

お正月に限らず、結婚式などのお祝いの席には欠かせない昆布ですが、冬に不足しがちな食物繊維や、ヨウ素をはじめとするミネラルが豊富で、甲状腺ホルモンの成分になり、新陳代謝を助けてくれます。

もちろん、甲状腺機能障害の方はNGですが、そうでない場合は進んで食べていきたい健康食品です。

冬の塩分過多はくわいで解消

独特の渋みで、大人でも苦手な人の多いくわいですが、「勢いよく芽がでるから『めでたい』」という縁起物でおせち料理の一つとして選ばれています。

くわいはカリウムが豊富なので、冬場の塩分の多い食事で溜まったナトリウムの排泄を助けてくれます。

もちろん、高血圧予防にもなりますし、冬場にお鍋などを多く食べる人ほど食べたい食材なのです。

くわいはえぐみがあり、それが苦手と言う人が多いのですが、ただ水で煮るだけではなく、タケノコのように米のとぎ汁でアク抜きをしながら煮ると食べやすくなります。

それでも苦手という場合は、煮物にするのではなく「挙げる」と食べやすくなるでしょう。

丸ごと、もしくは半分に切って素揚げにするとホクホクとした触感で、薄切りにして低温で素揚げにするとカリカリになり、えぐみも感じにくくとても美味しくなります。

おせち料理は先人の知恵の玉手箱

おせち

  • コレステロールの少ないカズノコは塩分が強め⇒過剰な塩分はくわいで排出させる。
  • 冬はビタミン類の豊富な優しが少ない⇒なますや栗きんとんでビタミン補給。
  • 冬は夜が長く目を酷使しがち⇒黒豆のアントシアニンで目の健康を促進する。

このように、おせち料理は縁起ものであるというだけではなく、すべてに健康を気遣う先人たちの知恵が生かされた栄養食品です。

おせち離れが進んでいる現代ですが、これを機会に、ぜひおせち料理を見直して、家族で、友人とで、おせち料理を囲んでみましょう!!