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ゴボウのアクは抜かないで! 昔の知恵でゴボウを食べよう

健康の知恵袋
ゴボウのアクは抜かないで! 昔の知恵でゴボウを食べよう

「ずぼら」が得するゴボウの食べ方

ゴボウを食べるときに皆さん、どのような下準備をしますか?

今時は既に切られたゴボウを食べることが多いかもしれませんが、ゴボウを食べるときは基本的に「あく抜き」をしていくかと思います。

アクの強い野菜で言うと、ほうれん草やレンコンなどもアクが強いのですが、ゴボウの場合は酢水に入れると茶色の液体が出るほどアクが含まれています。

ですが、ゴボウは「木の根っこ」というイメージからは想像出来ないほど、「体に美味しい」栄養素がたくさん含まれています。

そんな栄養素は、あく抜きをしてしまったり、皮を落としてしまったりで、大半が無くなってしまいます。

ゴボウは栄養価を考えるとあく抜きもしないずぼらな料理方法の方がおすすめの、ずぼらな食材だったのです!!

ゴボウに含まれるアクは○○だった!?

ゴボウ料理

今時は既に現れて、ともすれば切られた状態で袋入りしているゴボウが売られていることが多いかと思います。

ですので、今時の人は泥付きのゴボウの調理の仕方を知らない可能性もありますが、親世代だと、「洗って・皮を擦り落として・ささがきに切って・酢水に浸けてあく抜き」という面倒な下準備をしないといけない食べ物という認識があります。

ですが、もっともっと上の世代では、ゴボウはあく抜きもせずに使っていました。

なぜなら……ゴボウの皮には糖尿病予防・脂肪の蓄積の予防をしてくれる「クロロゲン酸」という栄養素が、皮の中側よりも2倍も多く含まれているのです。

また、アクを抜いたときにお水が黄色や茶色っぽくなるのも、このクロロゲン酸の色。
つまり、クロロゲン酸が水に流出してしまっているということなんですね。

アク抜きすると、このクロロゲン酸の他に、水溶性の食物繊維も一緒に出てしまうため、ゴボウの皮はドロを落とすために、たわしで擦って洗うだけ。

アク抜きもしないでOKの、ずぼらな人向きの食材だったのです。

ゴボウの皮には栄養がまだまだ含まれている

ゴボウと言えば、食物繊維。

そして、アクとして出てしまう糖尿病予防・脂肪の蓄積予防のクロロゲン酸ですが、実は他にも、なんと「ポリフェノール」が豊富に含まれていたのです。

その大半はゴボウの皮に含まれていて、その量はほうれん草の3倍以上とも言われています。

ポリフェノールと言えば、アンチエイジングや抗酸化作用、アレルギー予防にもよいと言われている、是非とも取りたい栄養素の上位にいるもの。

やはり、ゴボウの皮は落とさずぜひ、食べていきたい部分だったのです。

ちなみに、ゴボウの香ばしさも大半が「皮」の部分から生じています。

ですので、皮を落としてしまったゴボウと、そうでないゴボウでは風味も味も大きく異なるのです。

そうは言ってもアク抜きは必要なのでは?

下処理

では、なんでゴボウのアク抜きが一般的になってしまったのかというと、アクに含まれる「えぐみ」なんですね。

ほうれん草などもちょっとえぐさを感じるかもしれませんが、アクが含まれている植物にはそれだけえぐみが生じてしまいます。

とはいえ、きんぴらゴボウや煮物にしてしまえば、えぐみもあまり感じなくなりますし、そもそもゴボウにそんなえぐみはあまりありません。

また、江戸時代頃、懐石料理などに使うゴボウを酢水にさらすことによって、ゴボウが変色することを防ぐようになっていたのですが、それを「アクを抜いている」と勘違いしてアク抜きをするという感覚が広まった、という説もあります。

近年では、「色が変色する=黒い=体に悪そう」という感覚から、茶色い色が出るゴボウのアクは抜かなくてはならないという認識が広まってしまったという話もあります。

いずれにしても、ゴボウを水にさらしてしまうのはとても勿体のないことですので、今日からぜひ、アク抜きをしないずぼら料理の食材として扱ってあげましょう。

アク抜きもしないけど、下ゆでもしない!!

ゴボウ

アク抜きはしないにしても、ゴボウは生で食べるには少々固い食べ物。

ですので、基本ゴボウは火を通して食べる食材なのですが、下ゆでしてしまうとそのお湯にまた栄養が流出してしまい、勿体ないことになります。

実はクロロゲン酸の活性は、熱によって2倍も跳ね上がるため、火は通した方が良いのです。

ですから、昔の知恵に現代の文明の利器をプラスして……ゴボウはレンジで下ゆでしてみましょう。

大体5センチ位の大きめカットにしたゴボウを、レンジで加熱すると味も栄養価も最も良い状態で食べることが出来ます。

皮が苦手な人はお茶にしましょう

ゴボウ茶

ゴボウの皮はドロっぽいので確かに今時の人はちょっと苦手かもしれません。

ですが、たわしで洗ったゴボウの皮をピーラーで向き、天日で干せばあっという間に「ゴボウ茶」ができます。

普通のお茶と同じように煮出すことで、クロロゲン酸と水溶性食物繊維が入った、健康に最高に良いお手製のお茶ができるのです!!

ゴボウは捨てるところなし・手間をかけることもなしの、最強食材なのです!!