ちょっとした切り傷や擦り傷に。昔ながらの対処法
 
			特に派手な動きをしていたわけではないのに、気づいたら体のどこかに傷ができていたという経験をしたことのある方も多いのではないでしょうか。
後になって、実は紙で指先を切っていたことに気づいたり、擦り傷ができていたことに気づいたりというのは本当によくあるものです。
 こういうちょっとした切り傷や擦り傷に対して、「こういうのは舐めときゃ治る!」と唾液をつける方もいるのですが、それはあまりいい対処法とはいえません。
 というのも、口の中の雑菌が傷口から入ってしまうこともあるのです。
 間違った対処をして症状を悪化させないためにも、基本的な応急処置と昔から知られている対処法についてしっかりと理解しておきましょう。
基本的な応急処置

最初に基本的な応急処置について理解しておきましょう。
 切り傷にしても擦り傷にしても、まずは流水で傷口を洗い流しておきましょう。
 「必要ない」と思う方もいるかもしれませんが、傷口やその周辺についている砂やホコリなどのいわゆる異物を取り除くためには必要なステップです。
 学生時代は怪我をして保健室に行くと、当たり前のように消毒液をかけられたものです。
 しかしながら、消毒液というのは細胞自身が治そうとする働きを妨げてしまう可能性がありますので、軽いものであれば消毒液は必要ありません。
 もし、錆びや釘や刃物で怪我をしてしまった、皮下脂肪が見えるくらいに深い傷を負ってしまったという場合には、自分で手当てするよりもすぐに病院へ行って手当てをしてもらいましょう。
アロエの皮の絆創膏

アロエの皮の絆創膏ですが、これは実践したことがあるという方も多いのではないでしょうか。
 自宅にアロエがあるという方であれば、小さい頃から怪我をしたら最初にアロエを取りにいていたということもあるかもしれません。
 化粧品をはじめ、サプリメントなどにも使われているアロエなのですが、もともとアロエは「医者いらず」とも呼ばれています。
 いろいろな効能を持っているアロエなのですが、傷薬としても大いに役立ってくれます。
 アロエの皮の絆創膏のやり方は非常に簡単です。
・3cmほどアロエの葉を切り取って、それをよく揉みます。
・揉んだアロエの皮をむいて、傷口に貼り付けるだけです。
 固定しておきたいという場合には、絆創膏やテープを使ってもいいでしょう。
 アロエの汁にはアロエシンという成分が含まれています。
 このアロエシンが雑菌を減らしてくれるのです。
 さらに、アロエウルシンという成分も含まれており、このアロエウルシンは皮膚組織の再形成を促進してくれるのです。
 傷の治りも早くなるでしょう。
お茶の葉の止血

切り傷や擦り傷でも止血が必要な場合があります。
 大した痛みはないのに血がたくさん出て焦ってしまうという経験は誰にでもあるかと思います。
 止血のときにはお茶の葉が役立ってくれます。
 少量のお茶の葉を水に浸したら、それを傷口に貼るだけです。
 お茶の葉には渋味成分であるタンニンというものが含まれているのですが、このタンニンには収れん作用があります。
 その収れん作用によって毛細血管や細胞が引き締まりますので、血が止まるのです。
 ちなみに、歯を抜いた後に血が止まらなくなったという経験をしたことのある方もいるかと思いますが、そういうときにもお茶の葉を噛んでおくと早くに止血することができると言われています。
シソの葉の青汁

シソは下痢止めにも使われるほど強力なパワーを持っています。
 というのも、シソの葉には炎症を抑える力があるのです。
 シソを漢字で書くと「紫蘇」となることはご存知かと思いますが、見ての通り、「蘇る」という漢字が使われています。
 実際に、切り傷や擦り傷でできてしまった傷口を元通りに蘇らせてくれるのです。
 では、シソの葉の青汁のやり方についてご紹介していきましょう。
 シソの葉の青汁といっても飲むわけではありません。
 シソの葉を何枚か用意して、それを強めに揉んでいきます。
 揉んでいると汁が出てくるかと思いますので、その汁を傷口に直接塗っていきましょう。
 シソの葉の青汁というのはたったこれだけでOKなのです。
 シソには独特の香りがありますが、この香りの中には香り成分であるペリルアルデヒドが含まれています。
 このペリルアルデヒドは、強い抗菌性を持っていますので、雑菌をやっつけてくれるのです。
 ちなみに、シソの葉は止血にも使うことができます。
 実際に、かつてはシソの葉を粉にしたものが止血剤として使われていたのです。