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野菜から最も栄養をとれる切り方の昔ながらの知恵

健康の知恵袋
野菜から最も栄養をとれる切り方の昔ながらの知恵

切り方1つで栄養価が変わる!?野菜のベストな切り方について

あなたは普段どのように野菜を切りますか?

輪切り、乱切り、千切り……。
料理に合わせて様々な切り方をしていくことがほとんどだと思いますが、実は野菜は「切り方1つ」で吸収できる栄養価が大きく変わる、ちょっと難しい食材だったのです!!

場合によっては、同じ野菜料理でも10倍以上吸収できる栄養量が変わってしまうこともあり、その必要性は見逃せません。

例えばビタミンCがたくさん含まれる野菜や果物は、空気に触れるとそのビタミンCがあっという間に酸化してしまうため、細かく刻めば刻むほどビタミンCが現象してしまいます。
逆にタマネギなどに含まれる血液さらさら成分「アリシン」は、細かく刻み細胞から出させないと吸収することができません。

このように、含まれる栄養が異なる野菜について、昔の人は「野菜のどの部分にどのような栄養価が含まれているのか」を把握……していたわけではないかもしれませんが、上手な野菜の切り方を母や祖母、先祖代々から受け継ぎ、自然と身につけてきました。

今回は、そんな「野菜の栄養価が最も多くとれる切り方」について、勉強してみましょう!!

葉先と根元で栄養価が違うニラ

ニラ

ニラは葉の部分と根に近い部分とで、含まれる栄養素が変わる切り方の少し難しい野菜です。

葉先の部分にはビタミンCが多く含まれており、細かく切ってしまうとせっかくのビタミンCが酸化してしまいます。

逆に、根元に近ければ近いほど、アリシンが多くなってくるため、細かく刻むことによって、血液さらさら成分を吸収しやすくなります。

ちょっと使い分けの難しいニラ。料理する際には、半分に切り、「上半分をビタミンCを豊富に食べるための食材」「下半分をアリシンをたくさん食べるための食材」と分けて考えると良いでしょう。

【ニラの切り方・調理の仕方】

真ん中から半分に切り、上半分(葉先側)は大きめのざく切りにし、生春巻きに入れてみたりして、生のまま食べることで、ビタミンCをたっぷりと吸収することができます。

下半分(根元側)は細かくみじん切りにし、「コチュジャン(豆板醬)・醤油・酢・胡麻」などと混ぜて、特製中華ダレにして食べると、脂肪の多い食べ物を食べたときにもぴったりな、アリシンをたくさん吸収できる一品になります。

ニンジンは切り方を間違えると、カロテンが1/2に!?

ニンジン

ニンジンは中央から外側へと栄養を送って育つ根菜なため、内側よりも外側のほうに多くのβカロテンが行き渡っています

ですので、もしニンジンの「真ん中だけ」を食べてしまうと、βカロテンの量は、外側の1/2しか摂取できないことになってしまうのです。

ニンジンを切るときは、どの一切れを食べても同じくらい栄養価がとれるように、「輪切り」もしくは「乱切り」として、できる限り大きめに切っていった方が良いでしょう。

因みに、ニンジンは栄養を外側に、かつヘタ側に送り、成長していくため、購入後すぐにヘタ(頭)を切ることによって、ヘタから葉が出たり、栄養が葉に回ってしまったりということがなくなるので、たくさん購入した際は、まずは、ヘタを切りましょう。

ブロッコリーは花蕾が成長点

ブロッコリー

どこがつぼみだかわからないブロッコリーですが、緑のブツブツとした「花蕾」と呼ばれる部分全てがつぼみに当たります。

当然、つぼみなのでここへ栄養を送ろうとしてしまいますので、ブロッコリーを購入した際は、まずは茎と花蕾を分けましょう。

茎は食物繊維が含まれているので、後々スープなどにできます。

そして、花蕾は多くがくっついたままだと、互いに栄養の取り合いになってしまいますので、小さな房に分けて、料理の際はその房ごとに食べるようにしましょう。

花蕾にはビタミンCがたくさん含まれているので、ここをバラバラにしてしまうと勿体ないことになります。

食べる際はできるだけ刻んだりせず、ゴロっと食べるようにしましょう。

キャベツは切らないが特!?

キャベツ

キャベツの成長点は芯にあります。

ですので、まずキャベツの栄養が全て芯に行ってしまう前に、購入したらすぐに芯をくりぬくようにしましょう。
(因みに、くりぬいた部分に水を含ませた脱脂綿を詰めておくと、長期間保存ができます)

キャベツの主な栄養素はビタミンC。

特に外側の葉ほどビタミンCを多く含むため、キャベツは千切りなどにせず、大きくちぎって食べた方が、より多くのビタミンCを摂取することができるでしょう。

 

料理によって切り方を分ける必要性はありますが、せっかく食べるのですから、できる限り野菜の栄養を損なわないよう、切り方に気をつけて料理してみてはいかがでしょうか。